大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和42年(あ)2838号 決定 1968年6月20日

本店所在地

広島県三次市十日市町二二〇〇番地の九

株式会社 原田興行社

右代表者代表取締役

原田ツ子コ

右の者に対する法人税法違反被告事件について、昭和四二年一〇月三〇日広島高等裁判所の言い渡した判決に対し、被告人から上告の申立があつたので、当裁判所は、次のとおり決定する。

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人開原真弓の上告趣意は、違憲をいうがその実質は量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。

よつて、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 岩田誠 裁判官 長部謹吾 裁判官 松田二郎 裁判官 大隅健一郎)

昭和四二年(あ)第二八三八号

被告人 株式会社 原田興行社

弁護人開原真弓の上告趣意(昭和四二年一二月二〇日付)

一、原判決の量定は甚だしく不当であり破棄しなければ著しく正義に反する(刑事訴訟法四一一条第二号)

脱税者に対する制裁は、本来逋脱税を完納せしめるのが目的であり刑罰を科することは、第二義的意義に過ぎない。本件について看るに、逋脱税金額の他、加算税並びにこれに附随する地方税も完納し被告人会社は右の重圧により現在開店休業の実状にある。この上被告人に対し厳罰を以つて臨むことは、不能を強いる結果となり、憲法第三六条の残虐な刑罰と云うべきである。

以上

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例